影響ウォッシング:インパクト投資業界の成長に与える大きなリスクとは?
By Columbia Business School · 2024-02-22
影響投資とESG統合について、インパクトウォッシングがどのように成長に影響を与えているのか、そしてそれについて議論します。また、投資スタイルと持続可能な開発目標(SDGs)に焦点を当て、影響測定や影響投資の未来についても考察します。
Impact Investing and ESG Integration
- キャプロックの取締役兼パートナーであるマーク・ベリーマン氏は、同社が100以上のインパクトテーマとセクターにわたる90以上のプライベートインパクトファンドに15億ドル以上投資しており、富裕層個人や家族基金を代表していることを紹介しました。
- インパクトウォッシングについては、ESG統合とグリーンウォッシングとの関連性に触れ、インパクト投資の成長に影響を与えつつあるとして議論しました。
- インパクトレポーティングに関する各種インフラストラクチャーの進化や、バンキャピタルが取り組むダブルインパクト戦略などについても詳 しく語られました。
Impact Investing and ESG Integration
投資スタイルとSDG
- 持続可能な開発目標(SDGs)について、多くのファンドマネージャーが「私たちはSDGsに投資しています」と言うことが多いですが、バーンの考えではこれだけでは不十分です。
- バーンのファンドマネージャーはSDGsに対するベストプラクティスを推進し、企業が達成しようとしている目標を達成するための具体的な取り組みを提供しています。
- また、バーンは、SDGsが重要なガイドであるとしながらも、それだけでなく、企業が実際に成果を挙げ、アウトカムを生み出すことが重要であると考えています。
- 持続可能なファイナンスの開示要件が欧州で始まり、アメリカでも導入される可能性があると述べています。バーンの見解としては、これは概して良いことだとしながらも、一定の制限が必要であると考えています。特に、社会および環境面の指標を定義することで、透明性と説明責任を促進すると同時に、効果的な成果につながるように努めています。
- バーンの重要な位置づけとして、持続可能なファイナンスの開示要件を通じて、社会および環境の指標に基づいた企業の評価を行っており、これによって、企業の持続可能性に対する投資判断を支援しています。
投資スタイルとSDG
Impact Measurement and Verification
- ペン・フォスターのプログラム完了は、最初に会社を取得したときに測定し始めたものであり、それをアウトプットの指標として捉えていたが、本当に目指していたのは受講者の生活賃金や給与の向上であった。
- それから、約9ヶ月後に、ペン・フォスター主導の調査を実施し、給与向上の傾向を把握し始めた。
- 約1年半後には、ペン・フォスター非関与の第三者調査が実施され、受講したクラスによって給与がどれだけ上昇したかを把握することができた。
- 同様に、K-12特別教育市場をサービスする会社であるTeachTownは、数年間の指標改善を経て、第三者調査の設計に取り組んでおり、さらなる成果やアウトカムの測定を目指している。
- さらに、投資ホールド期間中に各社に成果の測定を促しており、アンパクト(影響度)データの重要性を強調している。
Impact Measurement and Verification
影響投資の未来
- 現在、影響投資はまだ早期段階にあり、多くの新しいツールが試されているが、これらはまだ約束に過ぎず、完全な成熟はしていない。
- 影響報告のための透明性やデータ収集が向上し、一定の進化が見られるが、依然として一つの枠組みに当てはまるというものとは異なる、柔軟性のあるアプローチが求められている。
- 特にベンチャーキャピタルの分野では、影響投資が大きなリスクを抱えている。多くのケースで小規模な投資が行われており、具体的な影響報告に対する取り組みが不透明であるとの懸念が示されている。
影響投資の未来
重要なポイント
- クライアントがファイナンシャルポータルにログインし、リアルアセットポートフォリオを閲覧できるソフトウェアを開発した
- リアルアセットポートフォリオにおける社会的結果と環境に関連するアウトプットをシンプルなソフトウェアで比較することが重要である
- 社会的結果と環境に関連するアウトプットに焦点を当て、クライアントの資本を動かすために、彼らのためにそれを行う必要がある
- 同様に、共同投資に取り組む際にもパートナーと協力し、彼らの専門知識やデューデリジェンスから利益を得ることが重要である
- 社会的なニーズに応える前に、適切な最初のステップを踏むことが重要であり、企業が生活賃金や休暇などを提供できるようにすることがフォーカスされている
- ベンチャーキャピタルファンドへの投資において、インパクトデータの報告が必須であり、このデータの提供に対して要求があることが強調された
重要なポイント
Conclusion:
影響投資の業界では、インパクトウォッシングやESG統合の議論が重要です。また、持続可能な開発目標(SDGs)に基づいた投資や影響測定の重要性が強調されます。これらの要点を考慮しながら、インパクト投資業界の成長とリスクについて理解を深めましょう。